不動産業に従事し、空き家再生に本腰を入れようとしていた頃のことです。80代のおばあちゃんが、泣きながら私のもとへ相談に来られました。
この家を、どうにかしてほしい。
子どもたちにも「早く処分しろ」と怒られているの……
その家には、その方の人生の思い出が詰まっていました。しかし当時の私には、その願いに応える力がなかったのです。結局、何もしてあげることができませんでした。
彼女の涙は、今も私の心にトゲのように刺さっています。
もう、あんな思いはさせたくない
空き家で困っている人の支えになりたい。その一心で全国の事例を学び続けましたが、自分ひとりの力には限界があると気付きました。民間だけでは突破できない壁がある。行政や地域と一体にならなければ、本当の解決にはたどり着けない。独りで悩み、涙を流す人を、この街からなくしたい——その思いが、すべての出発点です。
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